虫歯のでき方と根管治療
虫歯のでき方
患者さまが毎日歯磨きをしていてもできてしまう虫歯。では、どのようにして虫歯になってしまうのでしょうか。詳しく紹介していきます。
細菌が原因
虫歯原因細菌のミュータンス連鎖球菌という細菌が歯に付着することで虫歯を発症させます。歯に付着したミュータンス連鎖球菌は歯に残っているプラークや食べかすをエネルギーにして酸を産生し、歯を溶かしていきます。
歯磨きをしているのに虫歯ができる原因
歯磨きをしているのにも関わらずなぜ虫歯ができてしまうのでしょうか。それは歯ブラシだけを使って歯磨きをしてもお口の中の60%程度しか汚れを除去できないからです。
歯と歯の間は歯ブラシの毛先では汚れを除去できず汚れが残りやすいのです。歯間ブラシやデンタルフロスを併用するようにすると汚れは落としやすくなります。
虫歯の好発部位
虫歯は歯の中でどこにできやすいかを知っておき、歯磨きをするときに気をつけると虫歯予防に効果的です。
歯頸部
歯と歯茎の間は汚れが溜まりやすく虫歯になりやすいです。歯から歯茎にかけて優しく歯磨きをするようにしましょう。
歯間部
歯磨きで汚れが残る40%は歯と歯の間に存在するといわれています。歯ブラシで除去できない汚れはデンタルフロスや歯間ブラシを使って除去するようにしましょう。
咬合面
歯の咬合面にある細かな溝に磨き残しがたまると虫歯細菌で虫歯ができやすくなります。
虫歯の症状
虫歯は進行程度によって症状が変わってきます。虫歯の進行程度と一緒に症状も紹介していきます。
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C0(初期虫歯)
歯の表面が脱灰している状態が初期虫歯です。症状はほとんどないですが、脱灰している部位が白く濁って見えます。フッ素を塗布する、歯磨きをするなどで再石灰化して治ることが多いです。
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C1(エナメル質虫歯)
歯の表面にあるエナメル質に限局した虫歯です。エナメル質には痛覚がないので痛みを感じることはありません。
虫歯に罹患している歯質を削ってプラスチックの詰め物を詰める治療法が一般的です。
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C2(象牙質虫歯)
エナメル質の下層にある象牙質まで虫歯が進行している状態です。象牙質は歯の神経と繋がっているので痛みが発生しやすい箇所です。
象牙質虫歯まで行くと治療中に痛みを感じることもあるので、局所麻酔をしてから治療を始めます。エナメル質虫歯同様の治療や虫歯の範囲が広ければ被せ物を製作することもあります。
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C3(歯髄虫歯)
歯の神経まで虫歯が進行している状態です。歯の根っこまで感染しているので神経に鋭い痛みを起こします。
歯の根管(根っこ)の内壁についている虫歯細菌を搔き出してきれいにする根管治療を行います。
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C4(残根虫歯)
歯が虫歯細菌の産生する酸で溶けてしまい根っこだけが残っている状態です。残っている根っこを抜歯してブリッジや入れ歯を製作します。
根管治療
C3まで進行した場合に行うのが根管治療です。歯の根っこに爪楊枝のような医療器具を挿入し、根管の内壁に感染している細菌層を除去します。
爪楊枝のような医療器具で根管の内壁を削っていきますが、削りかすで根っこが目詰まりを起こさないよう薬剤を使用して洗浄します。歯の根は複雑な形状のため、丁寧な治療が求められます。何度かにわたって治療することもありますが、再発しないためにも重要な治療にと言えます。