がん検診と歯科ドック
がん検診
健康診断や人間ドックで全身の健康について検査する方は多いです。しかし、歯科ではどうでしょうか?実は年間6000人に口腔がんが見つかり、3000人が亡くなっていると言われています。お口の中でも癌が発生していることを理解し、お時間のある方は口腔がん検診を受けてみましょう。
舌がん
舌の側面にできやすいがんです。口腔がんの中では最も発生しやすく、患者数も多いです。入れ歯が合わない、被せ物が引っかかるなど慢性刺激が原因で発生するので入れ歯を使用している患者さまには定期的な検査を受けることをお勧めしています。
歯肉がん
歯茎にできるがんです。がんが進行すると顎の骨を不規則に溶かしていくだけでなく歯茎に潰瘍形成を行い、入れ歯が合わなくなってがんであることが分かるケースがあります。
口蓋がん
上顎にできるがんです。できもののように思えますが、歯科医師が見ればがんかできものか鑑別することが容易な場合が多いです。
舌検診
舌検診は患者さまの体調や舌がんの検診という意味でも重要になります。舌検診でどのようなことがわかるか紹介していきます。
貧血の有無
貧血になると舌の表面がツルツルして見えることがあります。これを平滑舌やHunter舌炎と呼びます。
口腔清掃状態
お口の中をきれいにしているとプラークが溜まりにくいです。しかし、口腔清掃状態が悪いと舌の上にプラークが溜まり「舌苔」となり白く見えます。口腔清掃状態や口腔細菌をみるのも舌の観察で大切なことです。
舌がん
舌の側面に好発するがんです。口腔がんの中で最も発生しやすいですが、舌を定期的に検査していれば早期発見・早期治療することが可能です。舌の潰瘍と鑑別診断をする面でも舌の観察は大切です。
CT検査
歯科用CTを使って歯や顎の骨を観察すると歯根の破折や親知らずの状態、歯根嚢胞の有無などを詳しく診察できます。親知らずの状態などは、CT検査をすることで神経との位置関係や根の形態の確認に役立てられます。また、インプラントをお考えの方には、顎骨の厚さなどを確認するためにも、非常に大切な検査といえるでしょう。
唾液検査
唾液検査は虫歯・歯周病になりにくさを検査するのに使用します。虫歯になるには患者さま一人ひとりの唾液分泌量や唾液の性状も関係してきます。ご自身の唾液検査を行い虫歯や歯周病のリスクを把握しておくことは、日頃のメンテナンスや治療方針にも有効です。